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現場に行かずに、会社の状態がわかる「スコアカード」

2026年10月30日 読了目安:約14分

みなさんこんにちは!
EOSインプリメンターのコーチ カールです。

今回は、経営者にとって悩ましい、社内の「マネジメント」についてです。
忙しいみなさんが、どうすれば限られた時間で最適なマネジメントができるようになるのか。

そのポイントを紹介しましょう。

使用するツールは「スコアカード」です。
スコアカードを使えば、経営者として本当にやるべき仕事に集中できるようになります。

経営者が現場を正しくチェックする方法

忙しい毎日。

やることが次から次に降ってきて、とても休んでいられない。休んでいないのに仕事が減らず、しかも、社内のマネジメントもしなければならない……。

「これじゃあいくら時間があっても足りない!」
そんなことありませんか?

その気持ち、よくわかります。
特に中小企業の経営者は、みなさん同じような悩みを抱えています。

では、どうすればいいのでしょうか?

「うちは結果主義だから大丈夫!」
本当にそうですか?

なるほど結果主義は素晴らしいかもしれません。
でも、社長のあなたが、営業からバックオフィスまですべてを見るのは難しいはず。

そんなことをしていると、24時間仕事をしなければならず、家族との時間もとれないまま、アップアップするだけですよね。

しかも、正しい評価をしなければ、組織は成長していきません。

なぜスコアカードを使うべきなのか?

そこでオススメなのが、今回のテーマである「スコアカード」です。

スコアカードは、経営者が直接チェックしなくてもいい部分を見つけるための「簡易報告」のようなものです。

もちろん多くの会社では「報告・連絡・相談」がきちんと行われているとは思います。
しかし組織が大きくなってくると、経営者がそれらすべてに対応するのは難しくなります。

社員が20人、30人、40人になってくると、社長一人では全部見られないですよね。

だからと言って、低いパフォーマンスを放置していいわけではありません。
お客様に中途半端な営業をしたり、欠品をそのままにしたりするのは絶対にダメです。

そこで、何らかの指標を用いて管理する必要が出てくるわけです。
社長に届くデータを見極めなければなりません。

理想としては、「製造部に行かずに」「営業部に行かずに」「バックオフィスを直接チェックせずに」、各部署がきちんと機能しているかどうかをチェックできることですね。

つまり、現場に行かずにそれらがうまくいっているかどうかの“信号”を聞くことです。

それもできるだけ少ない情報を見て、「これなら製造も営業も管理も大丈夫だ。問題ない」とわかるのがベストでしょう。

でもどうやって??

そうです、スコアカードを活用しましょう。
スコアカードを使えば、少ない情報で会社を適切に管理できるようになります。

ポイント1:スコアカードとは?

スコアカードは、各部署を評価するために必要なデータをピックアップしたものです。
経営者は、そのデータを見るだけで安心していいか、逆に心配したほうがいいかを判断できます。

細かい部分までうまくいっているかどうかを見極めるものとは異なります。
データが多すぎると見るだけで大変ですし、その分だけ時間も労力もかかりますよね。

だからこそ、必要最小限の情報にとどめておくのがポイントです。

例えば、営業チームがうまくいっているかどうかをどうやって判断すればいいでしょうか。
どこを見れば営業チームのパフォーマンスを評価できるでしょうか。

会社によっても異なります。
直接顧客を訪問する営業もあれば、電話やウェブで受注するところもあるでしょう。

どちらがいいという話ではありません。
大事なのは、プロセスがうまくいっているかどうかを判断すること。

そのための情報が必要なのです。
具体的には、「成立した契約金額」などが挙げられます。

例えば、1週間分の結果をピックアップしたところ、4社のディールが成立していて、金額は100万円だった場合。
その数字を見て、「これが私たちの本当に求めている結果なのか?」を目標から逆算して判断します。

スコアカードでは、知りたい項目をピックアップし、その週の目標を立てなければなりません。

四半期(3ヶ月)で2400万円というゴールがあったとしましょう。
これを12週で割ると1週間で200万円になりますね。

週にそれだけの結果が出ていれば、営業部はきちんと機能していることになります。
もちろん250万円でも300万円でも構いません。

しかし、150万円であればちょっと課題がありますね。
80万円ではさらに心配です。

このように多少のばらつきはあったとしても、その数字を見て経営者が安心できるか、心配するべきなのかを判断できるのがスコアカードの強みとなります。

週の結果が240万円なら安心できるけど、実際は80万円だった――。

それはもう社長の出番です。
現場に行って状況を確認し、担当者に話を聞かなければなりません。

スコアカードに載せる数字を、EOSでは「測定可能な数字」と呼びます。

条件は3つです。

  • 担当者が一人だけいること
  • 毎週の目標があること
  • 担当者が、自分の行動でその数字を大きく動かせる権限と裁量を持っていること

動かせない数字を担当させても、結果責任は生まれません。

ポイント2:スコアカードを使って「先行指標」をチェックする

四半期の2400万円というゴールから逆算すると、週の目標は200万円というのはわかりますね。

その数字はひとつの指標になりますが、それだけで営業部が優れたパフォーマンスを100%発揮しているかどうかは判断できません。

ひとつの指標だけでは十分ではないのです。
契約金額だけでなく、もう少し詳しく状況を知るための指標が必要となります。

他にほしい結果にはどのようなものがありますか?

業界によっても異なりますが、例えば、既存顧客の売上だけで十分でしょうか。

多くの会社では、足りないはずです。
新規顧客の獲得が、営業部の健全さにつながります。

そこで、既存顧客の契約金額だけでなく、今度は新規顧客に対するアプローチや成約件数を計測すると良いかもしれません。
それもスコアカードに入れましょう。

新規顧客獲得の件数を見ていくと、「毎週1社」というゴールに対して2社3社と獲得できるときもあれば、ゼロのときもあったりしますよね。

もしゼロが何週間も続いているようであれば、経営者は安心していられません。
何らかの改善をする必要があります。

このように良いスコアカードは結果だけでなく、結果につながる「先行指標」を計測することで、現場の状況を正しくチェックできます。

「先行指標」はまさに、スコアカードのキーワードの一つです。

結果ばかり見てしまうと、「その原因が何なのか?」「なぜゼロが続いているのか?」を察知できず、原因追及が遅くなってしまいます。

だからこそ、先行指標をチェックすることが大事なのです。

新規顧客をゲットしようと思えば、まず、新規顧客に対して提案書を出さなければなりません。
さらに遡っていくと、提案書を出すためには、新しいお客さんと話さなければならないでしょう。

その前提として、狙うべき顧客ターゲットのリストがあります。
顧客ターゲットを見て、

  • ターゲット顧客は正しく定義されているか
  • あるいは、担当者に対してきちんとアプローチできているか

などの先行指標をチェックしましょう。
それによって、良い結果につながるアクションが導き出されていきます。

ポイント3:原因を探って改善に着手する

先行指標からさかのぼって考えると、結果が出ていない原因がわかります。
その原因を解決し、状況を改善するためのアクションをとりましょう。

  • リストの改善
  • アプローチ方法の改善
  • トーク内容の改善

など、スコアカードから明らかになった原因を改善できれば、自然に結果はついてきます。
改善を積み重ねていけば、仕事のやり直しや無駄も少なくなるでしょう。

あるいは現場の体制に問題があるかもしれません。
現場の社員が、

  • 仕事を理解していない
  • トレーニングが進んでいない
  • 適材適所でない

などの状況だと、ミスやスケジュールの遅れが発生し、いつまで経ってもパフォーマンスがあがりません。

現場から上がってくる数字、そして管理職から経営チームに上がってくる数字をスコアカードで把握し、現状を改善して、結果につながる行動をとるようにしましょう。

先行指標をちゃんと計測している会社はうまくいっています。
結果だけを見たい気持ちもわかるのですが、そこにつながる先行指標を中心にスコアカードを作ることが大切です。

スコアカードは毎週チェックしよう

スコアカードは毎週見る必要があります。
なぜでしょうか?

その理由は、業種にもよりますが、大きなプロジェクトだと結果が出るまで一年以上もかかる場合があるからです。

例えば、企業向けのITツールを開発している企業の場合、ソフトだけでなくその会社のサービスも買ってもらわなければなりません。

エンジニアがいなければインストール方法もわかりません。
なので、エンジニアを含めたサービスとともにソフトを購入するわけです。

そうなると「予算はどのくらいか」「支払いのタイミングはどうか」など、長いスパンで交渉をしていくことになります。

そのうえで、「どのくらいアプローチしているか」「どのくらい提案書を出しているか」「交渉して契約できる確率はどうか」などをチェックすることになるのです。

「30社にアプローチすると、そのうちの12社に提案書を提出でき、面談(ヒアリング)は6社になる。そこから契約に至る件数は3社だ」などと計算できれば、さかのぼって必要な行動が見えてきますよね。

もしセールス部門の社員が3人いるとしたら、それぞれ新しいターゲットに10社ずつアプローチすれば、3件の契約が獲得できます。
それによって、やるべき行動が全部わかるわけです。

これがうまくいくスコアカードの作り方です。

スコアカードを毎週チェックしておけば、経営者は、その週の行動が正しく行われているかどうかを確認できます。

そのうちどこかの数字がうまくいっていないのなら、「何がダメなのか」を考えましょう。
そこに「課題」があります。

ただし、犯人探しをするのではありません。
EOSの仕組みでは、犯人探しは一切しません。

課題を明らかにし、その課題を解決するのが目的です。
セールスチームの場合であれば、

  • アプローチ先のリストを精査する
  • 営業用のスクリプトを改善する
  • 担当者のロールプレイングを強化する

などの方法が挙げられるでしょう。

スコアカードによって明確になった課題に対し、適切に対処していくことで、欲しい結果を得られるようになります。

スコアカードを実際に作ってみよう!

では、さっそく練習してみましょう。
ここでは、レベルごとにいくつかのアクションを紹介しています。

レベル 1
求める結果を明らかにする
セールス部門でも製造部門でもバックオフィスでも構いません。
御社で、それぞれの部署が「求める結果」を明らかにしてください。

例えばバックオフィスであれば、「毎週200社分の請求書を処理する」「銀行残高は5000万円」というものかもしれません。

具体的な件数と金額が明確であれば、確認しやすくなります。
そのような「求める結果」について検討してみてください。

ここから、スコアカードづくりが始まります。
これがレベル1でやるべきことです。
レベル 2
結果を「行動」に分解する
レベル2では、「求める結果」をブレイクダウンしましょう。

セールス部門がわかりやすいと思いますが、「アプローチ→提案書の提出→対面での交渉」など、それぞれアクションの段階がありますよね。

大切なのはアクション(行動)で捉えること。
先行指標をアクションで捉えることで、現場の担当者が改善のための行動をとれるようになります。

例えば
・お客様と話す
・お客様に提案書を出す
・お客様と交渉する
など、改善行動を「動詞」で表現できれば、指示もしやすくなります。
レベル 3
部署ごとのスコアカードを作る
レベル3では、実際にスコアカードを作ります。
最も簡単なのは部門ごとのスコアカードです。

例えばセールスチームに求める数字が2000万円なのに対し、1000万円しか達成できていない場合。
そこに課題があるとわかります。

大切なのは課題意識を持つことです。
スコアカードがあれば、誰でも自然に課題意識を養うことができます。

それが御社をより良い状態へと導いていくのです。

課題がわかれば改善できる!

最終的には、経営チームのためのスコアカードを作ってください。
その内容を、毎週必ず「10点満点ミーティング」で確認します。

世の中には、結果しか見ていない経営者がたくさんいます。

けれど結果を出すためには、現状を分析し、課題を明確にした上で、具体的な改善のためのアクションを積み重ねていく必要があります。

スコアカードを使えば、誰でも無理なく会社の状態をチェックでき、状況を分析できます。
先行指標によって、各部署の状況をきちんと把握できるようになるのです。

コーチ カール
デトロイト出身のアメリカ人。東京を拠点に、30年以上にわたり中小企業の経営者を支援してきた起業家。EOSのツールを使えば、中小企業特有の混乱した日々から抜け出し、経営者本来の仕事に集中できる——コーチ カールはそのことをいち早く確信した。現在は日本・東南アジア・オーストラリアのクライアントにEOS導入をサポートし、中小・ベンチャー企業の成功に情熱を注いでいる。